2014年06月12日

犯罪被害者についてA遺族感情・悲嘆反応・二次被害・犯罪被害者等基本法

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前回の続き。。。

遺族の反応として特有のものが悲嘆反応。

家族等を亡くした悲しみが、

自責感や罪責感と相まって、複雑な反応を示す。

悲嘆反応は、急性期(数週間から数カ月)を経て

慢性期(数カ月後)へと移行

最初は事実を受け入れられず、悲しみが湧いてこない半面、

苦しい気持ちが続くが、

次第に死を受け入れ、悲しみがこみあげてくる。

人によっては

複雑な感情状態が6カ月以上続くこともある(複雑性悲嘆・外相的悲嘆)。

さて被害等の支援がどのようになされてきたのかを述べる。

1974年の三菱重工ビル爆破事件等を受け、

1980年に犯罪被害者等給付金支給法が制定

ここで「犯罪被害者等」とは、

被害者だけでなくその家族や遺族を指す。

この制度は、被害者遺族、重傷病、障害の被害を受けた者に対し

国が給付金を支給するものである。

給付制度の10周年記念シンポジウムにおいて、

被害者の実態調査の必要性が指摘され、

被害者への二次被害(*)や

情報提供の不十分さ等が浮き彫りとなった。

その後、1995年の地下鉄サリン事件を契機に、

被害者問題は重視され支援の動きは加速することになる。

このような流れを受けて、

2004年に被害者等のための総合的で長期的な取り組みをめざし、

犯罪被害者等基本法が成立した。

現在、被害者等が利用できる制度は

給付金のほか、
被害者連絡制度(犯人の捜査状況の連絡)、
被害者等通知制度(公判期日や出所日等の連絡)、
不服時の検察審査会への申立て、
被害者参加制度(法廷内での参加)、
意見陳述制度、
損害賠償命令制度、
公判記録の閲覧・コピー

等である。

このように被害者に向けた支援は着実に整備されつつある。

しかし被害者への関心と理解のための教育や啓発活動は十分ではない。

また支援団体のボランティアが中心となり被害者支援を行っているが、

その知識構築と支援技能習得に時間を要するため、

支援人材の不足が問題視されている現状。

被害者の心に寄り添った支援制度の充実が望まれる。
(*)二次被害(secondary victimization):当初受けた被害(一次被害)に対し、制度や刑事施設や人々の反応を介して被害者にあらわれる被害を指す(命があるだけよかった・早く忘れて・泣かないで等の言葉など)。
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2014年06月10日

犯罪被害者について@PTSD・うつ・パニック障害等

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犯罪被害者(以下、被害者)とは、

犯罪により害を被った者をいう。

これまで加害者の人権問題等の論議がされるなかで、被害者への配慮は不十分。

しかし近年、被害者問題への関心の高まりを受け、

その権利や支援についても整備されている。

被害者や家族の、被害直後から数日間に見られる状態として、

被害を現実として受け入れられない、
感覚の麻痺、状況把握ができない、
自分でないような気がする、
無力感、
冷や汗や動悸、
過呼吸

等がみられ、それは次第に落ち着きをみせる。

被害後1カ月まで(急性期)には、

@気持ちの混乱(抑えられない不安や怒り、悲しみや感情の起伏の激しさ等)、
A事件のよみがえり(夢をみる、事件記憶の欠落等)、
B興奮状態(イライラし眠りが浅い、集中力に欠ける、ビクビクと敏感になる、食欲不振等)

――が起こりやすい。

なかには数カ月から数年単位で

このような状態が続き精神疾患となる場合がある。

PTSD(Posttraumatic stress disorder:外傷後ストレス障害)は、

事件の再体験、
感覚の鈍化(麻痺)と回避、
神経過敏(過覚醒)

が、1カ月以上続くことが特徴。

またうつ病は、

気分が沈み、意欲が喪失する、
食欲不振・過食、不眠・過眠、自殺意識

―――などが代表的特徴となる。

このほかパニック障害等の精神疾患や、

様々な不調が表出する場合も。

さらに自分の存在価値を否定する等の認知の変化や、

周囲や社会への考え方が変わり、

孤立感を感じたり、

加害者への報復や周囲の人間の無理解に怒りを感じる場合も多い。

次回は、遺族の反応等を述べる。
posted by yyymmm at 12:45| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 精神保健福祉士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

社会生活技能訓練(SST:Social Skills Training)A

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前回の続き。

SSTは認知行動療法の一つであり、

対人関係を中心とする社会生活技能のほか、

服薬自己管理・症状自己管理などの

疾病の自己管理技能に関わる日常生活技能を高める方法。

医療機関やの社会復帰施設・作業所・学校・職場等、

実践の場所も多岐にわたり、活用の幅も広い。

1994年4月にはその効果が認められ、

「入院生活技能訓練療法」として診療報酬に組みこまれた。

基本的なSSTの方法は、

あいさつや報告に始まり、

与えられた練習課題に対してロールプレイで技能練習を行う。

その後に宿題を設定して終了となるが、

自分の気持ちを言葉として伝える訓練と、

より具体的な場面を想定したロールプレイを実践することで、

対人関係技能等が獲得できる。

うまくいかなかった場合は、

問題点が明確にしながら何度もロールプレイを繰り返す。

またロールプレイで得た技能を宿題として実生活で試みることで、

技能定着を図ることができる。

「将来はこれができるようになりたい」という

長期目標のもとに、

「まずこれができるようになる」という短期目標を設定し、

それに沿って宿題を考える。

目標は当事者の進歩によってレベルアップしていく。

現在SSTには、

服薬自己管理、
症状自己管理、
基本的会話、
余暇

ーーの過ごし方の4つのモジュールによる練習もある。

ビデオ教材とマニュアル、ワークブックがあり、
これらの教材を活用することで、

より高度な支援が可能となる。

今後SSTの課題としては、

SSTの周知・普及に加え、さらなるエビデンスの蓄積だろう。

そのうえで広く世にSSTを理解してもらい、

積極的に取り入れてもらう必要性がある。

またSST参加者は

社会的スキルの低いものほど参加したがらない傾向にある。

このため参加の工夫や継続への働きかけも必要。

これにはSSTを行うスタッフの支援技術向上も重要。

これまでのSSTは言語的技巧(発言内容や声の大きさ等)や

非言語的技能(表情やしぐさ等)の

「送信技能」改善が重視されてきたが、

近年では状況把握や状況判断の技能、

つまり「受診技能」「処理技能」にも重点が置かれている。

このようにSSTは、

新しい流れを受け入れながら

柔軟な支援方法として形をなしていくと考えられる。

精神障害の人たち等、

さまざまな困難を抱える人たちの

自己対処能力を高め(エンパワメント)、

自立を支援するために、その活用が期待される。
posted by yyymmm at 00:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 精神保健福祉士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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