2013年03月19日

『星への旅(少女架刑)』吉村昭

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この本は、早くも今年出会った大好き本TOP3に入るかもしれない…。

初の吉村昭さんでしたが、まっすぐ心に届く文体と読みやすさに感動。

『星への旅』は短編集で、死を扱ったものが多く

ともすれば、暗〜〜〜くなりがちな内容なのですが、

心が暗くなるというより、心にぐいっと杭打たれた感じでした。

何ともいいです!

なかでも『少女架刑』は秀逸以外のなにものでもない!

亡くなった少女の俯瞰的視点から、

変化・変容していく様を、淡々と、

それでいて耽美に描いています。

カマキリのくだりは、思わずほおーーーっとなって

あまりの情景の美しさに、思わず笑みがこぼれたほど。

死をとおして、「生」というものを描く……

そんなことを思わずにはいられませんでした。

だまされたと思って読んでほしい本です(笑)


posted by yyymmm at 23:22| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月05日

死生観『老い』@ボーヴォワール

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もうすぐ80歳になろかという女性とお話する機会がありました。

その方は大学教授をされていて、リタイアした今では

原稿を書いたり、何かの委員をやったりしています。

「高齢者で 『もう死にたい』 なんてよく聞くけれど、

それは働いていなかったり、生きがいがないからよ」

と、とてもアクティブに活動されているのです。

この日は、先生がお書きになったエッセイのことで打ち合わせが必要で、

そのためにお話しを伺った…はずでした。

しかし話題は「死生観」へと移り、

胃瘻(いろう)や延命治療の話になりました。

「私は思うのだけど…」と、先生。

「政治や経済に、物申す年寄りが多いでしょ? 

新聞をゆっくり読む時間もあるんですもん、その攻撃的な言動も、仕方がないと思うのよ。

でもね、そんなことばかりじゃなくて、もっと主張してもらいたいことがあるの。

それはね、

今の医療って、『治す』『延命する』ことでしょう?

これからはそうではなく、『死のための医療』を

考えていかなくちゃいけないのではないかしら―――」

先生は、このように言葉を続けました。


ある程度の高齢ともなると、「どのように死を受け入れようか」と考えるといいます。

どのように最期を迎えるか、その選択は自分自身でしたいですよね。

それが「治す医療」と相反するものであった場合、

「死のための医療」の視点から処置できるような

医療の考え方が浸透してほしいなあ…と感じました。


さて、その先生が10年前に読んで、感銘を受けた本があるといいます。

ボーヴォワール(フランスの作家、哲学者)の『老い』という本です。

ボーヴォワールはサルトルと同時代の人。

ボーヴォワールは、 Beauvoirとつづり、Beau(=美しい)+voir(見た目)=見目麗しい

―――という意味です(笑) ネタとして書いちゃいました〜

『老い』

上下巻で長そうですが、気合いを入れて読んでみたいです。



posted by yyymmm at 19:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月02日

映画『レ・ミゼラブル』と『死刑囚最後の日』@ビクトル・ユーゴー

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映画『レ・ミゼラブル』に行ってきました。

アン・ハサウェイの、表情のみが映し出されるスクリーン。

数分間、彼女の歌が場内に響きわたる。

切ないほどの表情と思いを込めた歌声に、

心を揺さぶられない人がいるだろうか。まさに圧巻!

登場人物、みんなの歌も素晴らしく、

ラストにいたるまで、「これでもか」と言わんばかりに

歌のパワーが満ち溢れていたのでした。

主人公・ジャンバルジャンの一生を描いたと書けば、

とても単純なストーリーなのだけど、

そこには様々な問が提起が…。


無償の愛、

悪党は一生悪党のままなのか、それとも更生可能であるのか、

凝り固まった価値観のみに支えられ生きてきた者は、

その価値観が揺らいだ時どうなってしまうのか等々。。。



混沌としたフランスの、その時代背景と相まって、

些細な出来事も一歩踏み込んで考えてしまったのでした。



作者であるビクトル・ユーゴーは、

『レ・ミゼラブル』を描く前に、『死刑囚最後の日』という本を書いています。

それは死刑囚の様子を淡々と描いたもので、

正直、私はあんまり面白くなかったのですが、

ユーゴー自身が、「罪」とか「死刑」とか「法」とかについて、

彼なりの思想を持っていたのではないかと推測されるでしょう。

そう考えると、『レ・ミゼラブル』をまた違う角度から味わえもしますよね。

そしてその延長線上に、なんだかとても現実的なのだけど、

日本の更生保護の在り方とか、死刑の問題とか…

そんなことも考えずにはいられなくなるのです。


ラストなんて、もう、涙涙の状態で、

エンドロールを見ながら、ここに書いたようなことを考えていたら、

涙も乾ききってしまった次第(笑)


小さいときに読んだ本、再読したいです。










http://www.lesmiserables-movie.jp/
posted by yyymmm at 09:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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